結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
「俺の身体が熱くなってるのがわかるか?」
「はい。男の人って体温が高いんですね」

 素直な感想を漏らした凛音に龍一は苦笑いを返す。

「違うな。これは凛音のせいだ」
「え?」

 パチパチと目を瞬いた凛音に龍一はついばむようなキスをする。いたずらに瞳を輝かせて、彼は笑った。

「責任を持って、鎮めてくれよ」

 言うなり、彼は獰猛な獣のように凛音の首筋にかみついた。

 強く吸われ、凛音の白い肌はチリチリと焦げつく。乱れたブラウスもそのままに、おなかを撫で回す大きな手が少しずつ上にあがってくる。ブラがたくしあげられ、ささやかな乳房に彼の手のひらが直接触れた。

 凛音はびくりと大きく背中をのけ反らせる。過剰に反応してしまったことが恥ずかしく、思わず両手で口元を覆う。

(龍一さんの手ってだけで、どうしてこんなに……)

 バスタイムに自分で触れるのとは全然違う。身体の深いところから湧きあがるものをどうしても抑えることができないのだ。

 彼の指先は焦らすように凛音の敏感な場所をかすめていく。

「はっ……んっ」

 漏れ出てしまうはしたない声を殺そうと、凛音はますます強く口を押さえる。
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