結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
 それでも、凛音の嬌声はやまない。太もものあたりに、彼自身の強い熱を感じる。

 怖いと思う気持ちもたしかに存在しているのに、それ以上の歓喜が恐怖を押し流してしまう。凛音の心は悦びにうち震えていた。龍一が自分を女性として扱ってくれることがうれしくてたまらない。

 龍一の反応が身体だけのもので、感情などないと知っていても、凛音には贅沢すぎる幸福だった。

 胸をもてあそそんでいた龍一の手が凛音の下半身に伸びる。ウエスト脇のファスナーがさげられ、タイトスカートはするりと脚から抜き取られてしまった。

 彼の手は円を描くように太ももをなで、少しずつ内側へと進んでいく。無意識のうちに凛音の膝は緩んでいく。が、彼の指先がショーツに触れそうになった瞬間に、はっと我に返ったようにぴたりと膝を合わせた。

 龍一は困ったような顔でほほ笑み、凛音を見る。

「あ、その……恥ずかしくて」
「なら、こっちに集中していろ」
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