結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
 そう言って、龍一は唇を重ねた。

 甘く、熱く、激しいキスに翻弄され、いつの間にか凛音の身体からは余分な力が抜けていった。角度を変えて口づけを繰り返しながら、龍一の指先は凛音の閉ざされた場所へと伸ばされていく。

 ショーツの上から往復していた指が隙間からそっと差し入れられ、熱くなった入口を直接なでる。ショーツは足先から抜かれ、とろりとした液体が純白のシーツに小さなシミを作る。

「んっ、ああっ」

 十分に潤っていても、彼の指先が隘路へ入る衝撃は大きく、凛音はぐっと歯を食いしばる。

「まだ無理かな」

 龍一が小さくつぶやいたのが聞こえてしまって、凛音は必死に首を横に振る。

「だい、大丈夫です。どこも痛くなんて……」

 やめてほしくない。一度だけでいいから、身も心も彼のものになってみたいのだ。

 龍一はふっと苦笑を漏らすと、凛音の身体をふわりと優しく抱き締めた。

「やめるって意味じゃないぞ。悪いが、そんなに理性的な男じゃない」
「でも……」
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