結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
凛音は記憶に残る彼の言葉をそのまま告げる。
「水無月の名を利用しようとする人間がいたときに、私ひとりでは対処できないから」
「そう。それは嘘だ」
「えぇ?」
「大学も就職も反対した理由はひとつだ。お前に悪い虫がついたらどうしようかと不安でたまらなかったからだ」
初めて知る真実に凛音は目を白黒させるばかりだ。
「いや、菱木譲のような完璧な男でも我慢ならないのだから、どうしようもない」
そう言って、龍一は甘やかな笑みを浮かべる。
「お前に冷たい態度を取り続けたのは、一度でも触れてしまえば引き返せないと知っていたからだ」
「龍一さん」
幸福の予感に、凛音の鼓動はそのスピードを増した。
龍一は両手で優しく凛音の頬を包み、告げる。
「もう戻れない。義妹でなく、俺の妻として生きる覚悟を決めてくれ」
「……はい」
凛音の指先が彼の背中をきゅっと握り締める。つぶらな瞳から大粒の涙がこぼれた。
菅原のマンションを辞するとき、龍一はさらりと彼に言った。
「株主や上層部に話をするタイミングは、少し考えさせてほしい」
「かしこまりました」
菅原は静かに頭をさげる。
「水無月の名を利用しようとする人間がいたときに、私ひとりでは対処できないから」
「そう。それは嘘だ」
「えぇ?」
「大学も就職も反対した理由はひとつだ。お前に悪い虫がついたらどうしようかと不安でたまらなかったからだ」
初めて知る真実に凛音は目を白黒させるばかりだ。
「いや、菱木譲のような完璧な男でも我慢ならないのだから、どうしようもない」
そう言って、龍一は甘やかな笑みを浮かべる。
「お前に冷たい態度を取り続けたのは、一度でも触れてしまえば引き返せないと知っていたからだ」
「龍一さん」
幸福の予感に、凛音の鼓動はそのスピードを増した。
龍一は両手で優しく凛音の頬を包み、告げる。
「もう戻れない。義妹でなく、俺の妻として生きる覚悟を決めてくれ」
「……はい」
凛音の指先が彼の背中をきゅっと握り締める。つぶらな瞳から大粒の涙がこぼれた。
菅原のマンションを辞するとき、龍一はさらりと彼に言った。
「株主や上層部に話をするタイミングは、少し考えさせてほしい」
「かしこまりました」
菅原は静かに頭をさげる。