結ばれないはずが、冷徹御曹司の独占愛で赤ちゃんを授かりました
「ようこそ、水無月社長。凛音さんとは、あのパーティー以来かな」
譲は凛音に視線を移し、あの人懐っこい瞳でいたずらっぽくほほ笑む。
『海は不思議だ』
そう語っていた彼だった。
(そうだったんだ……)
「経営者には見えないでしょう? よく言われます」
驚く凛音にそう言って、譲はふたりを応接間へと案内した。
オフホワイトで統一されたインテリアと鮮やかな緑の観葉植物。派手さはないのに洗練されていて、落ち着く空間だった。
譲は凛音たちにソファをすすめ、自分も向かいに腰をおろした。
「わざわざ来てもらって、なんだか申し訳ないですね」
「いや……」
龍一が言葉を選ぶように視線を動かしたのを見て、譲は軽く肩をすくめる。
「はは、遠慮しないでください。楽しい話でないことは予想できてますから」
龍一は立ちあがり、譲に頭をさげた。
「申し訳ないが、彼女との縁談を白紙に戻させていただきたい」
龍一はもう凛音を〝義妹〟とは呼ばなかった。
凛音も慌てて席を立ち、龍一にならう。
ほんの少しの間を置いて、譲は柔らかな声音で言う。
「頭をあげて、座ってください」
譲は凛音に視線を移し、あの人懐っこい瞳でいたずらっぽくほほ笑む。
『海は不思議だ』
そう語っていた彼だった。
(そうだったんだ……)
「経営者には見えないでしょう? よく言われます」
驚く凛音にそう言って、譲はふたりを応接間へと案内した。
オフホワイトで統一されたインテリアと鮮やかな緑の観葉植物。派手さはないのに洗練されていて、落ち着く空間だった。
譲は凛音たちにソファをすすめ、自分も向かいに腰をおろした。
「わざわざ来てもらって、なんだか申し訳ないですね」
「いや……」
龍一が言葉を選ぶように視線を動かしたのを見て、譲は軽く肩をすくめる。
「はは、遠慮しないでください。楽しい話でないことは予想できてますから」
龍一は立ちあがり、譲に頭をさげた。
「申し訳ないが、彼女との縁談を白紙に戻させていただきたい」
龍一はもう凛音を〝義妹〟とは呼ばなかった。
凛音も慌てて席を立ち、龍一にならう。
ほんの少しの間を置いて、譲は柔らかな声音で言う。
「頭をあげて、座ってください」