ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
シャルロットはムッとしたようなに口を尖らせる。
陰気で俯きがちどころか、とても表情豊かだ。
「つれないな」
エディロンはフッと笑う。
「本題はこれだ」
ポケットから一枚の書類を出すと、それを見た瞬間シャルロットの表情が変わった。
「これ……建国二十周年の記念祝賀パーティーですね?」
「そうだ。よくわかったな?」
エディロンが持ってきた書類には、社交パーティーが行われる旨と日付しか書かれていなかった。
「ダナース国は社交パーティーを開く文化があまりありません。今の時期に王宮主催のパーティーを開くとしたら、それしか考えられません」