ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
(なかなか鋭い洞察力だな)
エディロンは内心で舌を巻く。一方のシャルロットは、何かを考え込むように口元に手を当てたままじっと動きを止めている。形のよい眉が少し寄っている。
「これに、俺の婚約者として参加してもらう。いいな?」
「もちろんです。そういうお約束ですから」
シャルロットは真剣な表情で頷く。
その後も、何かを言いよどむような仕草をしていたが、何かを決心したのかまっすぐにエディロンを見つめてきた。
「陛下。お願いがあります」
「お願い?」
「今度のパーティーのおもてなしについて、わたくしにお任せいただけませんか?」
シャルロットは胸に片手を当てると、はっきりとそう言った。