ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
「はい。商店のものもびっくりしていましたよ。非常に精緻な計画表をつくっておられたと」
「そうか」

 シャルロットにパーティーの取り仕切りの一部を任せはしたものの、まだどういう計画になったかの話はきちんと聞いていない。けれど、会長の話を聞くにきちんと計画して、進行を進めようと努力しているようだ。

「よい王妃様がいらっしゃいいましたね。挙式の日程が発表されておりませんが、いつ?」
「……十カ月後だ」

 所長ににこにこと笑みを向けられ、エディロンは一瞬言葉に詰まったもののそう答える。

「さようですか」

 もっと早く挙式すると思っていたのだろう。まだまだ先だと知ると、所長は残念そうに眉尻を下げた。

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