ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 お世辞ではなく、今日のエディロンは普段の凜々しい様子とはまた違った魅力があった。より魅惑的、とでも言うのだろうか。

「あなたに褒めてもらえるとは、光栄だな」

 エディロンは意外そうにシャルロットを見つめ、片眉を上げる。

「あなたのために仕立てた甲斐があった」

 エディロンがフッと口元を緩める。

(わたくしのためなの!?)

 今日のパーティーのためだから、シャルロットのためと言うのは違うと思う。けれど、衣装を揃えようと提案したシャルロットの希望を聞いてくれたという点では、シャルロットのために仕立てたというのも間違いではない?

 なんとなくモヤモヤしながらも差し出されたエディロンの手に自分の手を重ねる。大きな手で包み込まれるように、ぎゅっと握られた。


< 149 / 325 >

この作品をシェア

pagetop