ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
豪華な大ホールの正面にあるの階段の前に立つと、会場の来賓客が一斉にこちらに注目するのがわかった。この祝賀パーティーは建国二十周年を祝うことが一番の目的だが、それと同時にエディロンの婚約者であるシャルロットの公式なお披露目会的な意味合いがあった。
神に愛された国家と言われるエリス国の王女がダナース国に嫁ぐのは周囲に驚きを与えたようで、皆興味津々なのだ。ましてや、シャルロットはこれまで一度も社交界に姿を現わしたことはなく、ここにいる全員が初めて目にする存在なのだから。
痛いほどの注目を浴びながらもシャルロットはしっかりと顔を上げて歩く。自分が堂々としていないと、ダナース国の威厳が損なわれると思ったから。
「陛下、この度は建国二十周年並びにご婚約おめでとうございます」
「ありがとう。こちらが俺の婚約者でエリス国第一王女のシャルロットだ」
「はじめまして。エリス国第一王女のシャルロット=オードランでございます」
国内貴族のひとりから声をかけられたエディロンは、軽く返事を返すとシャルロットを紹介する。シャルロットはエディロンの紹介に合わせ、丁寧に挨拶をした。
祝賀会は和やかに進む。
この建国二十周年の記念祝賀会には国内貴族だけでなく、多くの諸外国の来賓を招待していた。いくつかの国の来賓と話し終えて一息ついていると、こちらにひとりの男性が近づいてくるのが見えた。
神に愛された国家と言われるエリス国の王女がダナース国に嫁ぐのは周囲に驚きを与えたようで、皆興味津々なのだ。ましてや、シャルロットはこれまで一度も社交界に姿を現わしたことはなく、ここにいる全員が初めて目にする存在なのだから。
痛いほどの注目を浴びながらもシャルロットはしっかりと顔を上げて歩く。自分が堂々としていないと、ダナース国の威厳が損なわれると思ったから。
「陛下、この度は建国二十周年並びにご婚約おめでとうございます」
「ありがとう。こちらが俺の婚約者でエリス国第一王女のシャルロットだ」
「はじめまして。エリス国第一王女のシャルロット=オードランでございます」
国内貴族のひとりから声をかけられたエディロンは、軽く返事を返すとシャルロットを紹介する。シャルロットはエディロンの紹介に合わせ、丁寧に挨拶をした。
祝賀会は和やかに進む。
この建国二十周年の記念祝賀会には国内貴族だけでなく、多くの諸外国の来賓を招待していた。いくつかの国の来賓と話し終えて一息ついていると、こちらにひとりの男性が近づいてくるのが見えた。