ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
(3)
周囲に集まってきた来賓客に、次々に声をかけられる。
その中に、ふと見覚えのある顔を見つけた。少しくせのある栗色の髪をひとつに纏めた柔和な顔つきの男性だ。
(あ、この人……)
「はじめまして。私はラフィエ国の第二王子のコニー=アントンソンです」
それは、一番最初の人生でシャルロットを侍女と間違えたラフィエ国の第二王子だった。
「はじめまして。エリス国第一王女のシャルロット=オードランでございます」
シャルロットはスカートを摘まみ、優雅に腰を折る。
「驚いたな。エリス国の第一王女がまさかあなたのような素敵な女性だったとは。以前、エリス国には伺ったことがあるのですが、そのときにお会いできなかったことが残念です」
目元を赤くしたコニー王子がシャルロットを見つめる。『以前、エリス国を伺ったことがある』とは、数カ月前に開催されたばかりの、エリス国で数年に一度開催される例の舞踏会のことだろう。
その中に、ふと見覚えのある顔を見つけた。少しくせのある栗色の髪をひとつに纏めた柔和な顔つきの男性だ。
(あ、この人……)
「はじめまして。私はラフィエ国の第二王子のコニー=アントンソンです」
それは、一番最初の人生でシャルロットを侍女と間違えたラフィエ国の第二王子だった。
「はじめまして。エリス国第一王女のシャルロット=オードランでございます」
シャルロットはスカートを摘まみ、優雅に腰を折る。
「驚いたな。エリス国の第一王女がまさかあなたのような素敵な女性だったとは。以前、エリス国には伺ったことがあるのですが、そのときにお会いできなかったことが残念です」
目元を赤くしたコニー王子がシャルロットを見つめる。『以前、エリス国を伺ったことがある』とは、数カ月前に開催されたばかりの、エリス国で数年に一度開催される例の舞踏会のことだろう。