ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 話していて飽きることがなく、また、必要な場面では凜とした態度でいながらエディロンと二人きりのときなどはころころと表情が変わるところも可愛らしく好ましいと思っている。

 つまり、エディロンは関われば関わるほど、シャルロットに惹かれていた。

「あと五ヶ月か……」

 エディロンは息を吐く。

 シャルロットが婚約破棄してほしいと言った期限まで、あと五ヶ月。
 エリス国と政略結婚しなくても済むほどの外交上の立場の改善を条件としたが、事実ダナース国の諸外国との関係性は記念祝賀会を契機に一気に改善方向へと向かっている。正直、これだけの成果をあげてくるとは予想していなかった。

(約束通り、破棄してやるべきなのだろうな)

 道義を通すなら、そうするべきだ。
 しかし、エディロンの中でそのことが納得しきれていない。なぜシャルロットがここまで婚約破棄したがるのかわからないし、エリス国の王女が王妃になればダナース国としてプラスに働くことは変わらない。
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