ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

(となると、やるべきことはひとつだな)

 シャルロットの態度から判断するに、異性として嫌われてはいないはずだ。
 ならば、シャルロットの不安を取り除き、本人の気持ちを変えさせるまでだ。

    ◇ ◇ ◇

 この日、シャルロットは朝から少しおめかしをしていた。
 連日にわたり多数のお茶会のお誘いを受けているが、今日はそのうちのひとつ、ダムール侯爵夫人のお茶会に参加する予定なのだ。

 ダムール侯爵家はレスカンテ国時代から続く名門貴族のひとつだ。エディロンが重用している一族のひとつと聞いて、参加することを決めた。

「シャルロット様、できましたよ」

 準備を手伝ってくれたケイシーのかけ声で、シャルロットは鏡の前に行く。

「わあ、素敵」
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