ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

 シャルロットの瞳は驚きで大きく見開かれる。

「俺の妃になれ。お前が抱えている秘密ごと、俺が愛してやる」
「秘密……?」

 頬に添えられていた手が顎へと滑り落ちる。
 風が吹き、周囲にピンク色の花びらが舞う。

 秀麗な顔が近づき、唇が重ねられた。


    ◇ ◇ ◇


 その日の夜になっても、シャルロットは混乱の最中にいた。

(愛している? わたくしを? 本当の妃にしたい?)

 エディロンからはっきりと告げられた言葉を反芻し、頭を抱える。

(嘘でしょう?)
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