ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
「子供達はもちろん、全員無事だ。牛は俺が殺してしまったから、持ち主には新しい牛を代わりに渡す手配をした。もちろん、今度同じように牛でトラブルを起こしたら牛を飼うことは許さないとお灸を据えておいた」
「…………」

 エディロンの説明を聞きながら、シャルロットは暫し考える。そして、段々状況が理解できてきて顔を青くした。

(……うそっ! もしかして、全部夢じゃなかった!?)

 あんな都合のよいタイミングでエディロンが現れるわけがないと思っていたので、完全に夢だと思っていた。

(ど、どうしましょう……)

 意識を失う直線、好きですと言ってしまった気がする。

 あの部分は夢?
 できれば夢であってほしい。

「ご迷惑をおかけしました」
「いや。間に合ってよかった。あと少し遅かったらと思うと、ぞっとする」
「一歩間違えば、陛下が危険でした。大怪我したかもしれないのに」
「俺は、あなたのほうが大切だ」
「……っ!」
< 244 / 325 >

この作品をシェア

pagetop