ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
(やっぱり、エディロン様はわたくしのループの秘密を知っていらっしゃるの?)
どうすればいいのかと頭が混乱してきて、シャルロットは自分にかかっている布団のシーツを所在なく見つめる。
エディロンの求婚に頷きたいと思う自分がいる一方、一度目の人生の絶望感を思い出してしまい、もう二度とあんな目に遭いたくないという自己防衛の気持ちが湧き起こるのだ。
でも本当は、叶うことなら──。
「シャルロット。俺を見ろ」
ハッとして顔を上げてから、顔を上げたことを後悔した。
エディロンの金色の瞳は、シャルロットにとって不思議な魅力がある。一度目が合うと囚われてしまい、目が離せない。
「わ、わたくし……」
つうっと目から涙がこぼれ落ちる。
「わたくしには陛下の妃になれないわけがあります」
エディロンはシャルロットの頬に触れると、その涙を指で拭った。
「…………。それは、あなたが本当はシャルロット王女ではないからか?」
「……はい?」