ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
空耳だろうか。
シャルロットが本当はシャルロット王女ではない?
予想外のエディロンの言葉に、シャルロットは思わず目をまん丸にする。
「違うのか?」
エディロンはシャルロットの反応に、どうやら間違っていると気づいたようで今度は困惑した様子だ。
「違います。わたくしは間違いなく、エリス国第一王女のシャルロット=オードランです」
「…………」
「…………」
ふたりを沈黙が包む。
(え? どういうこと?)
シャルロットは大いに混乱した。
(もしかして、一度目の人生もわたくしが偽物の王女だと思ったから〝ドブネズミ〟と?)
そうであるとすれば、偽王女を嫁がせたと憤慨したエディロンがシャルロットを斬り殺したことも納得できる。