ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 輿入れの日まではあっという間だった。

(ここがダナース国……)

 シャルロットは初めて見る景色に、馬車からただただ外を眺める。暫く進むと馬車が停まり、ドアが開けられる。外から大きな片手が差し出され、そこに手を重ねると力強く手を引かれた。

『よく来たな、シャルロット』
『陛下!?』

 そこに現れたのは、ダナース国の国王であるエディロンその人だった。シャルロットの馬車がダナース国入りしたと聞き、自ら迎えにきてくれたのだ。

『お手を煩わせて申し訳ございません』
『いや、大丈夫だ。我が愛しの姫君との再会が待ちきれず、我慢できずに来てしまった』

(我が愛しの姫君……)

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