ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

(6)

「買取った。あなたが製作したと聞いて」
「どうして!」
「シャルロットが作ったと知って、ほしくなったからだ。あなたが俺を避けるようになったから、城下であれば掴まえることができると思って探している最中に偶然知った」

 予想外のことが多すぎる。シャルロットは唖然としてエディロンを見つめる。

 シャルロットを城下で探していた?
 エディロンは国王なのだから無理矢理会おうと思えばシャルロットを従わせることだってできるのに、わざわざ自分が城下に出向いて?

(エディロン様……)

胸の内に温かいものが広がる。
 城下に出向いたのは、無理強いしてシャルロットの気持ちを傷つけるのを嫌ったからだろう。いつだってエディロンはシャルロットの気持ちを優先して、気遣ってくれる。

 それと同時に、「そんな突拍子もないことを想像していただなんて!」となんだかおかしくなってくる。
< 250 / 325 >

この作品をシェア

pagetop