ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが

「リロもとても神々しくて、皆さん見惚れておりましたね。本当に素晴らしかったわ」

 エリス国に神使の言い伝えを知らない人間はいないが、実際にその神使を目にしたことがある人はいない。それだけに、人々もより一層興奮していた。

「まあまあだったな。だが、神々しさで言えば俺のほうが上だ」

 テラスの手摺りにちょこんといる羽根つきトカゲが偉そうにそう宣う。

「まあ、ガルったら」

 シャルロットはくすくすと笑う。
< 321 / 325 >

この作品をシェア

pagetop