ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 四度目の人生。

 過去の人生で三回連続殺されたシャルロットは、殺されそうになったときも対抗できるようにと剣の鍛錬を始めた。
 四度目の人生にして初めて握った剣だったが、鍛錬を始めるとなかなか面白かった。本格的に騎士になろうと決意し、妹であるリゼットの護衛騎士になった。

 ところがだ。またしても想定外が発生する。
 リゼットに帯同して訪問した隣国クロム国の王太子になぜか気に入られてしまい『お前を妃にする』と宣言されてしまったのだ。

 隣国の王太子の宣言を無下にすることもできず、シャルロットは彼に嫁ぐことになる。
 結婚式当日の夜、緊張を解すために寝台の隣に置かれた酒を飲んだら喉と胸が燃えるように熱くなり、あえなく命を落とした。

 恐らく、毒死だろう。
 せっかくした剣の鍛練は、毒の前ではなんの意味もなさなかった。

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