ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 特に、ダナース国は建国以来経済的な成長も著しく、軍事力も強い。敵に回すと厄介な国なのだ。

「そうだわ!」

 そのとき、リゼットが叫ぶ。そして、部屋の隅で第三者よろしく佇んでいたシャルロットをまっすぐに見た。

(な、何!?)

 目が合った瞬間、嫌な予感がする。

「ダナース国の国王は『エリス国の王女』と言ったのでしょう? なら、お姉様でもよいのではなくて?」
「わ、わたくし!?」

 シャルロットは驚いて、素っ頓狂な声を上げる。

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