ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 ──そのときだ。

「なるほど」

 リゼットとオハンナ、そしてシャルロットのやり取りを黙って聞いていた国王がようやく口を開く。

「確かにそれは名案だな。シャルロット、先ほどの許可は取り消しだ。お前には、ダナース国の国王エディロン=デュカスの元に嫁ぐことを命じる」
「へ……?」

 シャルロットは唖然として父である国王を見る。

「反論は認めない。話は終わりだ」
「お父様、お待ちください! わたくしは神の花嫁に──」

 シャルロットは真っ青になって首を横に振る。

「おい、お前。シャルロットを離宮に送り届けろ」

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