ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
シャルロットは部屋の窓際に置かれた椅子に座ると、両手を組んで外を眺める。
見えたのは、先ほどの開放廊下沿いにあった中庭と似た、人工的に造られた庭園だ。
ただ、長期間放置していたのかだいぶ荒れている。きっと、この離宮は長いこと使っていなかったのだろうと予想が付いた。
「陛下の説得に向けて、準備しておかないと……」
シャルロットはここダナース国に王妃となるべくやってきたが、実際に結婚する気は全くなかった。だって、結婚したら死んでしまうのだから。
ただ、政略結婚なのに忽然と姿を消したら大騒ぎになり、それこそ外交問題に発展しかねない。
そうなって両親である国王夫妻が困ろうとなんとも思わないが、あの国にはまだ弟のジョセフがいる。なので、あまりことを荒立たせたくない。
なんとかして穏便に婚約破棄に持っていく必要があるのだ。
──トン、トン、トン。
そのとき、部屋の扉をノックする音がした。
見えたのは、先ほどの開放廊下沿いにあった中庭と似た、人工的に造られた庭園だ。
ただ、長期間放置していたのかだいぶ荒れている。きっと、この離宮は長いこと使っていなかったのだろうと予想が付いた。
「陛下の説得に向けて、準備しておかないと……」
シャルロットはここダナース国に王妃となるべくやってきたが、実際に結婚する気は全くなかった。だって、結婚したら死んでしまうのだから。
ただ、政略結婚なのに忽然と姿を消したら大騒ぎになり、それこそ外交問題に発展しかねない。
そうなって両親である国王夫妻が困ろうとなんとも思わないが、あの国にはまだ弟のジョセフがいる。なので、あまりことを荒立たせたくない。
なんとかして穏便に婚約破棄に持っていく必要があるのだ。
──トン、トン、トン。
そのとき、部屋の扉をノックする音がした。