ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
かつて、隣国の王子に侍女と間違えられた惨めな気持ちが甦る。しかも、前回は豪奢なドレスを着ているリゼットと一緒だったが、今回はシャルロットしかいないというのに。
「生憎、侍女は連れてきておりませんの」
シャルロットは皮肉を込めてそう言った。
「侍女がいない?」
「ええ、そうです」
シャルロットには、侍女など元々いない。いたのは最低限の食事などの世話をする世話人だけだ。
(リゼットが来ると思っていたのかしら?)
エリス国王がダナース国に対してどんな返答の書簡を出したのかは知らない。けれど、目の前の男の反応からそんな気がした。
ダナース国からの書簡には『是非、エリス国の王女を──』と書かれていたという。それがリゼットを指しているのは明らかなので、ここにいるのが別人で驚いたのだろう。
「はじめまして、国王陛下。わたくしはエリス国の第一王女、シャルロット=オードランでございます」
「…………」
エディロンは眉根を寄せたまま、シャルロットを凝視する。
「生憎、侍女は連れてきておりませんの」
シャルロットは皮肉を込めてそう言った。
「侍女がいない?」
「ええ、そうです」
シャルロットには、侍女など元々いない。いたのは最低限の食事などの世話をする世話人だけだ。
(リゼットが来ると思っていたのかしら?)
エリス国王がダナース国に対してどんな返答の書簡を出したのかは知らない。けれど、目の前の男の反応からそんな気がした。
ダナース国からの書簡には『是非、エリス国の王女を──』と書かれていたという。それがリゼットを指しているのは明らかなので、ここにいるのが別人で驚いたのだろう。
「はじめまして、国王陛下。わたくしはエリス国の第一王女、シャルロット=オードランでございます」
「…………」
エディロンは眉根を寄せたまま、シャルロットを凝視する。