ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
 一方のシャルロットは、全く悲観している様子はなかった。

「わたくし、陛下のお役に立てるよう精一杯努力させていただきます。ダナース国に繁栄がありますように」

 そう言ったシャルロットは、満面に笑みを浮かべる。

(……っつ!)

 花が綻ぶかのような笑顔を向けられ、妙な感覚がする。

(おかしな姫君だな)

 シャルロットへの第一印象はそれに尽きる。だが、嫌な気分は全くなかった。


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