ループ5回目。今度こそ死にたくないので婚約破棄を持ちかけたはずが、前世で私を殺した陛下が溺愛してくるのですが
    ◇ ◇ ◇


 遠ざかる足音を聞きながら、シャルロットはへなへなと椅子に座り込んだ。

「あー、緊張した……」

 絶対に婚約解消の約束を取り付けると心に誓っていたけれど、いざエディロンを前にしたら緊張で体が震えた。最初、無理だと告げられたときは頭が真っ白になった。

 でも──。

「ダナース国がしっかりとした国際的地位を築けるならば、政略結婚は不要だと言っていたわね」

 真実はどうであれ、エリス国は神に愛され、祝福された国家と言われている。
 エディロンの言葉から、おそらくダナース国は〝エリス国の王女〟を娶ることにより神に愛された国の王女を王族に迎え入れ、その地盤を固めようとしたのだと理解した。

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