天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　オーランドに叱られたカークは、むくれた顔になった。ディートハルトは、ライナスにまだ何事か言い聞かせている。

「──ごめんなさい」

　ややあって、ライナスはミリエラの方に向き直った。ぺこりとミリエラに頭を下げる。それから、カークの方にも向き直る。

「叩いて、ごめん」

　ミリエラに謝罪した時より、カークに謝罪した時の方がぶっきらぼうではあったが、謝罪は謝罪である。

「殿下、申し訳ありません。カーク、お前もだ！」
「──ごめん」

　むくれたような謝罪に、オーランドはまたもやカークの首根っこを掴んだ。じたばたしているカークを、会場からつまみだそうとする。

「こいつは、部屋で反省させますから」
「オーランド、カークにもここにいてもらいたいんだ。ダメかな？」
「殿下が、そうおっしゃるのでしたら……」
「ディー、ごめんな。せっかくの誕生日なのに」

　さすがに今日の主役の前で取っ組み合いのけんかをしたことを、カークは恥じる気持ちになったようだ。ディートハルトの前で、深々と頭を下げる。