天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
──そんなの、と言いかけて口を閉じる。王妃は本当にそうしたかっただけで、ミリエラの言葉なんて期待していないだろう。
まあ前回は父が多数の女性に囲まれてしまって、抜け出す隙などなかったわけではあるが。
「以前のディートハルトは、あんないい笑顔はしなかった。ここに来て、私達では与えられなかったものをたくさん得たのでしょうね」
「ミリィとカークは、ディートハルト殿下の友達だから」
そろそろちゃんと言えるようになればいいのに。王妃がなにも言わないから、ミリエラもなんでもないふりをする。
「そうね。ええ、本当に──ライナスにも、いい影響があればいいのだけれど」
それはどうかな、というのはミリエラの心の中のつぶやきである。
今回のことで、ライナスに大きな変化があるとも思えない。
「ここには、とても優しい空気が流れているのね」
「きっとそれは、エリアスのおかげ」
「エリアス様だけではないわ。きっと……この地には精霊の優しさが溢れている。本当に、ありがとう」
もう一度ミリエラに礼の言葉を述べると、王妃は踵(きびす)を返して国王の元へと戻っていった。
まあ前回は父が多数の女性に囲まれてしまって、抜け出す隙などなかったわけではあるが。
「以前のディートハルトは、あんないい笑顔はしなかった。ここに来て、私達では与えられなかったものをたくさん得たのでしょうね」
「ミリィとカークは、ディートハルト殿下の友達だから」
そろそろちゃんと言えるようになればいいのに。王妃がなにも言わないから、ミリエラもなんでもないふりをする。
「そうね。ええ、本当に──ライナスにも、いい影響があればいいのだけれど」
それはどうかな、というのはミリエラの心の中のつぶやきである。
今回のことで、ライナスに大きな変化があるとも思えない。
「ここには、とても優しい空気が流れているのね」
「きっとそれは、エリアスのおかげ」
「エリアス様だけではないわ。きっと……この地には精霊の優しさが溢れている。本当に、ありがとう」
もう一度ミリエラに礼の言葉を述べると、王妃は踵(きびす)を返して国王の元へと戻っていった。