天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
第四章 もうひとり、精霊王が増えました
ライナスとカークが取っ組み合いの喧嘩になるのは想定外だったが、とりあえずディートハルトが満足そうだったのでよしとしておこう。
結果終わればすべてよし──ディートハルトの誕生会は成功であった。強引にそういうことにしておく。
(……私も反省しなくちゃ)
あの時、ミリエラの立ち回りはあまり上手とはいいがたかった。
ライナスがミリエラをどう思っているのか理解した今、必要以上にライナスには近づかない方がよさそうだ。
国王夫妻は、この機会にグローヴァー領を視察するつもりらしく、今回は一週間ほど滞在の予定だ。ミリエラも侯爵家の娘として、国王一家に同行しなければならない場合も多い。
(ええと……そろそろ時間だから、王妃様を呼びに行かなくちゃ)
娘も欲しいらしい王妃は、ミリエラが王妃の側に行くのを喜ぶ。
もしかしたら、ライナスと結婚させようと考えているかもしれないと思ってしまうのは、前世でそういった物語をたくさん読む機会があったからだろうか。
(パパのところに、私宛の求婚のお手紙も来てたもんねぇ……見せてくれないけど)