天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 ミリエラにはまだ早いと、ニコラはよほどのことがなければミリエラの髪をカールさせることはないし、ニコラ自身はコテは使わない。珍しい光景は見ていてとても楽しい。

 王妃の侍女が、丁寧に王妃の髪をセットしているのをミリエラはぼーっと眺めていた。

(魔道具があるから、熱源はどうにでもなるんだよね。そういう意味では、便利なのかも)

 本体の方に回路を組み込み、スイッチを入れることによって本体が熱くなる。その熱で髪を波打たせ、固定するのだ。

 電気は存在しないけれど、魔石を使った魔道具で似たようなものは作ることができそうだ。形は全然違うけれど、髪を洗ったあと、乾かすドライヤーも存在している。

「待たせたわね」
「いえ、王妃様。王妃様は、今日もとてもお綺麗です」
「あら、いやだ」

 ミリエラの誉め言葉に、王妃は頬に手を当てて笑った。

 今日の王妃は髪の上半分を使って頭の両脇に編み込みを作り、余った部分は後頭部でまとめていた。下半分の髪は背中に流し、侍女達がカールをつけて仕上げをしていたわけである。

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