天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「よいよい、楽にせよ。そなたがミリエラを愛していることを、妾はちゃんと知っておるぞ」

 フィアンの言葉に、父はますます深く頭を下げた。

「ミリエラ、会いたかったよ!」

 炎から飛び出してきたのは、真っ赤なヒヨコ達だった。ぴよぴよと空中を飛び回っている。父の目には、ヒヨコ達の姿は見えていないけれど。

(ヒヨコなのに、空飛べるんだ……?)

 深く考えても意味はないだろう。エリアスの眷属だって猫なのに翼が生えているのだ。精霊にミリエラの常識なんて通用しない。

『ミリエラ、我を! 我を呼ぶのだ!』

 と焦っているのは、エリアス。

「エリアス、来て」

 ミリエラが呼ぶと、真っ白で巨大な猫が姿を見せる。エリアスは、フィアンに向かってイーッと牙をむいた。

「そなたまでミリエラと契約するとは!」
「そなたが卑(ひ)怯(きょう)な手を使うからであろう! ミリエラと誰が最初に契約するか、まだ話が決まっていなかったではないか」

 空中に飛び上がったフィアンに爪で引っかかれ、エリアスはうぅと顔をしかめた。

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