天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「ミリエラ、エリアスは抜け駆けをしたのだぞ。そなたと一度に全員契約するわけにもいかないからな。順番を決めて、契約することになっていたのじゃ」
「抜け駆け?」

 エリアスの方に身体全体で向き直る。抜け駆けってどういうことだ。エリアスとフィアン、一緒に契約してもよかったのに。

「……もしかして、ミリエラのマナの量のことですか」
「パパ、マナの量って?」
「精霊を具現化させるためには、マナが必要となるだろう。エリアス様とフィアン様、双方を一度に呼ぼうとすると、ミリィのマナの量が足りなくなるのではないか、と」

 父の説明で、なんとなく理解する。

 たしかにエリアスもミリエラのマナを多量に使ってしまわないよう、きちんと気を配って具現化していた。

「ミリィのマナが多くなったから、フィアンも契約して大丈夫ってこと?」
「そなたは、話が早くてよいな。そなたが、成長し、マナの量も増えたから妾も契約することになったのじゃ」

 くるる、と喉で鳴いたフィアンは首を横に傾げる。

 彼女のように美しい鳥は今まで見たことがなかった。羽根の一枚一枚が、内側から輝いているようだ。

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