天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　耳慣れない言葉だったようだ。精霊に人間のお洒落について説明して、伝わるだろうか。

「熱を加えると、髪をカールさせることができるの。そのための道具を作りたいんだ」
「髪を、カールする……。そなたの美しい髪を変形させるのか？」

　とんでもないと言いたいように、翼を広げたフィアンはぶるぶると全身を激しく震わせる。その様子があまりにもおかしくて、思わずくすりと笑いが漏れた。

「ミリィだけじゃないよ。人間の間では、髪形を変えるのもお洒落なんだ。ねえ、パパ？」
「精霊王様。人間は、美しい毛並みを持ちません。その代わり、髪形を変えたり、美しい衣服を身に着けたりして装うのです」

　父の説明で、そういうものかとフィアンはしぶしぶうなずいた。

「そういうことならば、妾も協力してやるのもやぶさかではない」

　右の翼を口元に当て、こほんとフィアンは咳払いをする。

「さて、ミリエラよ。そなたは、どうしたいのだ？」
「んー、この筒をあっためるでしょ。ずっと温かいままでいる必要はなくて、少しずつ冷めていったらいいんだ」

　ミリエラは、カールの作り方について説明する。