天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　前回王都に行った時もニコラは留守番であった。ひとりの身体ではないのだから、途中でなにかあっては困る。

「母上も一緒だったらよかったなぁ……」

　とカークは残念がったが、これから数年の間、ニコラが同行するのは難しいだろう。赤ちゃんを連れて、馬車で長距離移動するのも難しい。

（パパは、もうひとり乳母を雇おうかなんて言ってたけど）

　背中のボタンを留めたり、髪を結ったりするのは、ミリエラひとりでは難しい。それに、入浴も大人が付き添わなければならない。

　今のところ、王都の屋敷にいる女性の使用人が対応してくれるけれど、父としてはもうひとり雇った方がいいのではないかと悩んでいるらしい。

（それよりは、住み込みの家庭教師をつけた方がいいんだけど……それはまだ早いかな）

　今のところ、文字の読み書きや基本的な教養などのために通いの家庭教師に来てもらっているが、こういう場合、住み込みの家庭教師を雇うというのもひとつの手だ。

（このあたりは、パパが決めてくれるでしょうね）