天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「それはすっごく難しいね……!」

 たしかに空を飛ぶ馬車ならば、王都への往復にかかる時間はものすごく短縮できるだろう。おそらく、一日とかからなくなるのではないだろうか。

「それ、いいな! ミリィも空を飛びたいって言ってただろ? 俺も、手伝うし!」
「う、うん。カークが手伝ってくれるのはありがたいんだけど、難しいと思うんだ」

 空を飛びたいとは思うけれど、まだ、その方法を思いつかない。

 空中に浮かび上がるだけならば、こちらの世界にも気球に似た装置はあるのだが。

 急ぐほどのことでもないので、大人になるまでになにか思いつけばいいかなと思っている。

 最初のうちは片道五日かけて行っていたのが、何回か往復しているうちにミリエラ達も慣れてきた。三人で同じ馬車に乗っていれば、道中退屈することもない。

「ライナスに会えるのが楽しみだな」

 窓の外を流れる景色を見ながら、ディートハルトがポツリと言う。

 髪を引っ張られたり、カークと取っ組み合いの喧嘩をしているのを見たりしているので、ミリエラはそこまで会いたいとも思わない。

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