天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 父方の祖父母は屋敷に強盗が押し入った時に死亡しているから、ミリエラの数少ない親戚のうちのひとりということになる。

「王子殿下、お目にかかれて光栄です」
「──お待ちしておりました」

 ミリエラがいるにしても、同行してきたディートハルトへの挨拶が先だ。

 祖父母は、まずはディートハルトに向かって深々と頭を下げた。

「僕も、ミリエラ達と一緒に来ることができて嬉しい。今日は、このままここに泊まるんだ」

 ディートハルトの住まいはもちろん王宮であるのだが、ここからさらに何分か馬車を走らせなければならない。

 今日は到着が遅れてしまったから、ディートハルトの体力を気遣い、王宮入りするのは明日にする──というのはミリエラの入れ知恵だ。

 子供達三人でのお泊り会が、とても楽しみなだけ。

 実際、王宮にディートハルトが戻った時には、多数の人に出迎えられるので、一晩ゆっくり休んでしゃっきりした顔で王宮に入った方が得策なのだ。

 それから父に再会の挨拶をしてから、祖母はようやくミリエラに微笑みかけた。 

「ふふ、びっくりした? ジェラルドが呼んでくれたのよ」
< 159 / 279 >

この作品をシェア

pagetop