天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「びっくりした、すごく! おじい様、おばあ様! ふたりとも会えて嬉しい!」

 これは、サプライズであった。どうやら、父の計画だったようだ。

「カークにも会えて、嬉しいですよ。しっかり勉強しているかしら」
「はい、伯爵夫人。しっかり稽古して強くなります!」
「あらあら、私が言いたかったのは剣術の稽古だけではないのだけれど」

 祖母がくすりと笑うと、照れくさそうにカークが笑った。祖母はカークのことも非常に可愛がっている。

 それは、ニコラが亡き母の侍女であり、嫁ぐ前は祖父母と同じ屋敷で暮らしていたからという事情もあるのだろう。

「じゃなかった。ええと、伯爵夫人、──お、お目にかかれて、こ、光栄です」

 目上の人に対する礼儀は守らねばならないと思い出したらしく、慌ててやり直しているがカークの挨拶は少しぎこちない。

「なに、子供は元気なのが一番だ。そうだろう、ジェラルド──殿下、この屋敷にいる時は、ご自分の屋敷のようにくつろいでいただいていいのですよ」
「あらあら。このお屋敷はジェラルドのものであって、我が家ではないのですけれどもね」

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