天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 祖母の指摘に、今度顔を赤くしたのは祖父であった。

「いえ、おふたりもご自分の屋敷のようにくつろいでください。私達は、家族なのですから」

 父と祖父母は血のつながりはないのだが、父をずっと支え続けたのは伯爵夫妻と今は亡き母である。家族の縁が薄かった父にとっては、大切な人たちであるのは間違いない。

「ディー、カーク、一緒に行きましょう。お父様の仕事部屋を見せてあげる」

 皆が挨拶を終えるのを待ち、ミリエラはディートハルトの方に手を伸ばす。

 今日はミリエラの屋敷に泊まるのだから、ミリエラがディートハルトを案内せねば。

「あとで、俺の部屋に行こうぜ! 宝物がいっぱい置いてあるんだ」
「うん!」

 すかさずカークもディートハルトを誘う。

 王都の屋敷にあるカークの部屋には、王都で買い求めたおもちゃや、オーランドの友人からもらった品々が大切に飾ってある。

「グローヴァー領には持って帰らないの?」
「こっちのお屋敷に来た時にも楽しみがあったらいいだろ? 時々、領地に置いてある宝と取り換えてるんだ」

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