天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました！２

　思わず笑ってしまいそうになったけれど、振り返ったディートハルトがこちらに向かってしーっと合図をしてきたので、ミリエラも無理やりに笑いを飲みこんだ。

　誇張されているにしても、指輪がドラゴンの体内から出てきたことには間違いがないのだろうし、カークにそれをくれた送り主の気持ちまで、なかったことにする必要はないと思うのだ。　



　その日は、皆で楽しく過ごし、翌日、ディートハルトは王宮へと戻っていった。

　カークも一緒に行ったのは、今回、王宮の騎士達に稽古をつけてもらえることになったからである。

　ディートハルトの〝ご学友〟とまではいかないにしても、グローヴァー領で行動を共にすることが多いため、なにかあった時にミリエラだけではなくディートハルトも守ってほしいと言うのが、どうやらその狙いのようだ。

　オーランドは勉強の方ももう少し頑張ってほしいと思っているらしいが、そこはミリエラにはなんとも言えない。

（カークはなにも気づいていないから、私がなにか言う必要もないんだけど）