天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 なにせ、グローヴァー領地は、錬金術師や魔道具師が集まる場所。ある方面においては、王都よりも最先端の流行を行っているといっても過言ではない。

 新しい発明はまずはグローヴァー領で生まれ、そこから全国に広がっていくというのが基本的な流れになってしまう。

 父が第一線から身を離していた時期も、優秀な人が多く残っていたから、他の地域に人材が流出してしまうということもそう多くはなかった。

 それに、ミリエラの才が知られるようになってからは、移住してくる人も増えたのである。

「まずは、ミリィの服を見に行こうか」

 長い時間考え込んだ父がようやく口にしたのは、ミリエラの服や小物を買いに行くことだった。

 領地にも仕立屋はいるし、いつもはそちらに注文しているが、服飾に関しては、王都が流行の最先端である。

「服はいっぱい持ってるけど。買ってくれるの?」
「もちろん。ミリィはなにを着ても可愛いからね──王宮に行く時のドレスはもう少しあってもいいくらいだろう」

 なにせミリエラは六歳。これからぐんぐん大きくなる。

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