天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 それに、王宮の流行というのはすぐに変わるので、大げさに言えば王都に赴く度に新しい服を買っても足りないくらいらしい。

「あ、あと階段広場は? いろいろお店が出ているんでしょ?」
「そちらも行ってみようか。観光名所でもあるし」

 ミリエラが口にした階段広場というのは、王都の西の端に位置している観光名所であった。

 すり鉢状になっている広場の周囲をぐるりと階段状に石段が取り囲んでいる昔の劇場跡だ。

 中央の広場が昔の舞台であり、囲っている石段が座席だったそうだ。

 今では年に一度、昔の劇を再現する催しが開かれる時以外、野外劇場として使われることはほとんどなく、市民達の憩いの場となっている。

 石段を上手に利用して屋台が出されていたり、広場では大道芸人達が芸を披露したり、吟遊詩人が自慢の歌を響かせたりしているという。

 グローヴァー領には、大道芸人はお祭りの時くらいしか来ないし、吟遊詩人も同様だ。せっかくだから、階段広場を観光するのも楽しいだろう。

「それから、広場でなにか食べたい。おいしいお菓子の屋台がいっぱい出ているんでしょう?」
「なにがあるか、見てみようか」

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