天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「ああ。相応の料金さえ支払えば問題はないらしい。あとは、スケジュールが合うかどうかというところになるそうだ」
「そっかぁ……楽しみ。ニコラにも見せてあげたいな。生まれてくる赤ちゃんにも」

 当分、ニコラが王都に来ることはないだろう。彼女にも楽しんでもらえるのなら、それが一番いい。

 それに、ニコラだけではなく町の子供達も楽しんでくれる。町でも興行してもらうといいのではないだろうか。

「パパ、ドーナツを食べましょう! 揚げてるいい香りがするの」
「わかった、わかった──ミリエラ、屋台で買い食いをするのはかまわないが、大切なことを忘れていないか」
「なぁに」
「あまり食べ過ぎると、昼食が入らなくなってしまうぞ」

 言われて思い出した。今日は、王宮の近くに新しくできた店に連れて行ってもらうことになっていたのだ。

「……じゃあ、パパ。半分こしてくれる? 一個食べたら、お昼ご飯が入らなくなってしまうもの」

 ここでドーナツをまるまる一個食べてしまうことは可能だが、そうなると昼食は入らないだろう。けれど、食べたいものは食べたい。

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