天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「困っている女性を見捨てるのは気が引けるが」
「この場合、許されると思うよ、パパ!」

 なにせ、風を吹かせたのはミリエラである。

 こういう時、精霊の助けがあるのはありがたい──それにしても、父との時間を邪魔してくれたあのラント伯爵令嬢については、しっかり顔を覚えておくことにした方がいいかもしれない。

 ラント伯爵令嬢の乱入で、一瞬邪魔は入ったけれど、そのあとはおおむね満足のいく時間であった。

 予約を入れていたレストランで、最近流行りだというふわふわパンケーキを堪能する。

 父の前には、生ハムやチーズなどが添えられている食事系のパンケーキ、ミリエラにはバニラアイスとフルーツがたっぷりのスイーツ系パンケーキだ。

「ドーナツ、半分にしてよかったねぇ、パパ」
「──そうだな」

 大人は二枚パンケーキが重ねられているところを、ミリエラは一段である。まだ、身体が小さいのでこれで十分なのだ。

「ふふ、おいしー」

 普段は甘いパンケーキは朝食とおやつだけなのだが、今日は特別である。生クリームとイチゴとパンケーキを一緒に口に運ぶ。幸せの味だ。

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