天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 前世でいうところの兵士の認識票──ドッグタグ──のようなものなのだろう。魔物退治や、戦に赴く際には、それを首から下げておくらしい。

 行方不明者が出た時には、それを探索するための装置を手に、捜索を行うのだという。どちらの方向に、分割された魔石があるのかは、現地に行ってみないとわからないらしい。

 透明のガラス筒の中に浮かんだ魔石から作られた玉は、マナを流して方向を指示すると、指示された方向に筒の中で動く。玉の発する光の色や強さで、近いのか遠いのか、集団なのか個人なのかがある程度わかるそうだ。

(ふむふむ、GPSとは違うのね)

 GPSなら、現地に行かなくてもわかるのにな──と思いながらも、この世界ではそこまで求められていないのだろうと判断する。

「つまり、同じ魔石は引き合うってことでいい?」
「そういうことになる。溶液に溶かしても、その性質は失われない」
「へええ、ミリィ知らなかった!」

 騎士団で使っているプレートなどは、大きな魔石を溶液に溶かして団員に配るのが決まりで、部隊ごとに魔石は違っているのだとか。

< 196 / 279 >

この作品をシェア

pagetop