天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
(なるほど……その性質を利用したら、受信者を限定することは可能そうね)

 ディートハルトとライナスにそれぞれ分断した魔石を持たせる。これで通話できる人間を限定することは可能そうだ。

「音を送るのはどうしたらいいかな」
「ルコック鳥の魔石で試してみようか。ルコック鳥の魔石を溶液に溶かして、ふたつに分けて」

 ルコック鳥は、首が長く鋭い牙を持つ魔物である。

 前世の鳥で言うと、姿かたちはダチョウに似ているだろうか。ダチョウと違って空を飛ぶことができるけれど、地面を走る方を好むそうだ。

 そして、肉がたいそう美味であることから、食用として好まれる魔物でもある。

「ルコック鳥の魔石ってなにに使われるの?」
「薬を作るのに使われることが多いかな。粉にして、マナを流したものは、風邪薬の材料になるんだ」
「へぇぇえ! ミリィ、それも知らなかった!」

 ルコック鳥は繁殖力も強いから、退治してある程度数を間引くのは必須である。

 したがって、魔石も入手しやすいだろう。人類がいつまでたっても根絶させることのできない風邪薬の材料にはちょうどいいかもしれない。

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