天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「ルコック鳥の魔石ってうちにはなかったよね?」
「風邪薬の材料として依頼を受けた時に預かるくらいだからね。大丈夫、午後にでも持ってきてもらうよ」

 最終的に薬に仕上げるのは薬師の担当になるそうだ。錬金術師の作る素材が、薬の材料になるということまでは知らなかった。魔道具だけかと思っていた。

「ルコック鳥は風属性のマナと相性がいいからね──音声を届けるには、ちょうどいいと思うんだ」
「わかった。やってみる!」

 まずは、ルコック鳥の魔石を入手して。そして、それを父が調合した溶液に溶かす。

 錬金釜で材料を溶かしたら、そこにマナを注いでいくのはミリエラの役目だ。

 風属性のマナを流し込み、対となる相手に音声を届けることができるように調整していく。この調整が難しいのだ。

「──できた!」

 最終的に出来上がったのは、銀色の本体に青い石をはめ込んだものだった。

 青い石は、ルコック鳥の魔石を加工したものである。裏には、ヒトカゲの魔石もはめ込んであった。

 使い方は簡単である。まず、青い石に、マナを流し込む。そうすると、対になる腕輪が小さく震えるのだ。

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