天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
 ミリエラが初めて作った記録板には、三十分ほど記録できるはずだ。

(三十分なら、ちょうどいいな)

 もっと長時間記録する板も作ることができるけれど、それには必要な素材がまた変わってくる。扱う素材も高価なものになるし、ミリエラの半分勉強半分遊びには適さない。

 仕事部屋にある大きな窓は、出入り口にもなっている。そこから直接剣の稽古場に向かうことにした。

 向こうの方から、騎士達の声や剣を打ち合わせる音が響いてくる。

(ふたりは、どこかな)

 記録機を手に、稽古場をきょろきょろと見回す。

 屈強な騎士達の中、子供のふたりはすぐに見つけることができた。カークとディートハルトが、剣を打ち合わせている。すかさず、彼らの姿を撮り始めた。

 年齢は、ディートハルトの方が一歳上なのだが、カークの方が少し大きい。

 カークが年齢の割に大きいのは、父であるオーランドの血が強く出たのだろう。オーランドは、侯爵家に仕える騎士の中で一番体格がよく、一番強いのだ。

「えいっ!」
「うわっ!」

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