天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
一度、錬金術についてふたりが語り合っているのを見た時、仲間に入れなくて癇(かん)癪(しゃく)を起してしまったけれど、ふたりの間に入れないのは仕方がないことなのだと今では理解している。
ふたりが、自分のことを大切に思ってくれているのもちゃんとわかっているから──けれど。ひとり取り残されているような気がしてならない。
(……俺は、お兄ちゃんなのにな)
ミリエラとは一歳しか違わないので、ミリエラが生まれた時の記憶はない。けれど、気が付いたらいつもミリエラは側にいた。
「カーク、あそぼ」
そう言って、カークの後をついて回って来たのに、去年、ミリエラの運命は大きく変わってしまった。
一番変わったのは、〝侯爵様〟がミリエラといつも一緒にいるようになったこと。
ずっとミリエラのことをほったらかしにしていたくせに、急にミリエラと一緒にいることが増えたのだ。
「本当のお父様と一緒にいられるようになったのですからね。とても幸せなことなのですよ」
なんて母のニコラは言うけれど、カークからしたらなにを今さらである──いや、今さらだと思っていた。
ふたりが、自分のことを大切に思ってくれているのもちゃんとわかっているから──けれど。ひとり取り残されているような気がしてならない。
(……俺は、お兄ちゃんなのにな)
ミリエラとは一歳しか違わないので、ミリエラが生まれた時の記憶はない。けれど、気が付いたらいつもミリエラは側にいた。
「カーク、あそぼ」
そう言って、カークの後をついて回って来たのに、去年、ミリエラの運命は大きく変わってしまった。
一番変わったのは、〝侯爵様〟がミリエラといつも一緒にいるようになったこと。
ずっとミリエラのことをほったらかしにしていたくせに、急にミリエラと一緒にいることが増えたのだ。
「本当のお父様と一緒にいられるようになったのですからね。とても幸せなことなのですよ」
なんて母のニコラは言うけれど、カークからしたらなにを今さらである──いや、今さらだと思っていた。