天才幼女錬金術師に転生したら、冷酷侯爵様が溺愛パパにチェンジしました!2
「ユニコーンの生息地には、角が落ちていることもある。流通しているのは、主に拾ってきた角だろうな」

 我、詳しかろうとエリアスは胸を張る。

「へぇ、まだ、ユニコーンのところまでは読んでなかった。帰ったら、見てみるね」

 錬金術の素材について書かれている本は何冊か読んでいるけれど、ユニコーンについてはまったく読んでいなかった。

「ああ、そうするといい」
「あ、兄上──僕も! 僕もやりたい!」

 フィアンを撫でていたライナスが、エリアスにブラシをかけているディートハルトに飛びついた。

「エリアス、ライナスに変わるね。ええと……ライナス。エリアスにブラシをかける時は丁寧に。引っ張るのはなし。このあたりをブラッシングするととても気持ちいいって言ってたから、ここは重点的に」
「わかった!」

 ディートハルトの熱心な指導を受けたライナスは、教えの通りにそっとブラシをかけ始める。

 なかなかの上手な手つきらしく、エリアスはごろごろと喉を鳴らし始めた。本当の猫ではないくせに。

(ちょろい……! エリアスちょろすぎるわ……!)

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